一人旅は経験が積むと辞められないという方が多いのは知っているのですが、なぜ、そんなに一人旅がいいのか、わからない方もいらっしゃいますね。かく言う私も完全な一人旅、いうなれば、旅先にだれも知り合いがいない旅というのをしたことがないので、この際、ご一緒に一人旅の魅力を探ってみましょう。一人旅ってなぜいいのでしょうか?
一人で船、または汽車に乗った時、ともかく、好き勝手に動けることは確かです。その反面、話し相手がいないことでは、少しさびしい。特に普段、家族とご一緒に暮らしている方にとっての夜は何よりもさびしいかもしれませんね。でも、一人のときって、考えることが自分のその時の思いや今後の自分について思いを巡らす自由な時間になるのです。それは大事にすべき時間ですね。
知らない世界を見て、己を振り返ることもできますが、行き先を自分の意志だけで決められることから、自己実現が可能になったり、逆に旅先での人とのふれあいがそれまで知らなかったほど、うれしいこともあります。その一方で、宿の食事に感動し、そのありがたみを再認識したり、だからこそ、他人にも優しく接することができたり。一人だからこそ味わえるこの経験は、一人旅の間に多くの財産となって、私たちに残るのも確かです。
でも、一緒に行く相手が居ないから一人旅をするのだという場合と、みずからすすんで一人旅をするのとではわけが違います。やむなく一人になったときでもその寂しさから逃げないために、あるいはみずからすすんで一人旅をした場合にも、ぜひ実践していただきたいのは、旅先での他の人とのふれあいの時を持つことだと私は思います。例えば、積極的に宿の人に話しかけることだけでも。
あるとき、大阪への一人旅をした方がおられました。そこまでは全然話をするチャンスもなかったのですが、宿を出て一休みしたい時、思い切って、いかにも大阪らしい小じんまりした古い喫茶店に入ってみました。お客が数人だけなのに、そこは大阪弁が飛び交うにぎやかなお店だったのです。そして、店長さんが彼女に話しかけてくれたそうな。夜、一人で彼女は自分の欠けている部分を知ったそうです。あの、その抜けの明るさだったのかもとね。